ぐうたら星撮り記

光害地で一杯飲んで寝ている間に天体撮影、これでいいのだ!

SV535で撮る銀河 M31 M33

 深宇宙にぽっかりと浮かぶ銀河をイメージした写真を撮ってみたいと思い、焦点距離105mmのSV535(SVBONY) でM31とM33を撮影してみた。カメラのセンサーが小さいので、M31は大きく写りすぎ、M33でもまだ結構大きい。もっと小さな対象でないと狙ったイメージにならないような気がする。しかし小さくともしっかりと写し、拡大してもそれなりのクオリティを保つには、もう少し長い焦点距離で撮りモザイク合成しなければいけないかな。

 

  共通条件

       レンズ:SVBONY  SV535  105mm F2.8 

    赤道儀:EQ5 GOTO SS-one AutoGuider Proでオートガイド

              カメラ:ASI533MC Pro 0℃ offset 20 gain100

    撮影ソフト:NINA

    画像処理ソフト:DSS Siril(各種スクリプト連係) Affinity Photo

    撮影地:神奈川県藤沢市

 

  M31

    撮影:2026年10月12日

       フィルター:CBP 

          露光:300s×64(5h20m) 周辺部を10%トリミング

M31(総露光時間 5h20m)

 

  M33

    撮影:2026年10月13日

       フィルター:CBP 

          露光:300s×60(5h) 周辺部を10%トリミング

M33(総露光時間 5h)

 

鷹の爪 Sh2-126

 とかげ座の散光星雲、下の写真の画角が略5.5°×5.5°なのでかなり大きな星雲だ。大きいが、相当淡く分子雲もあるので、きれいに写すのは結構難しいと感じる。旬の時期は過ぎてしまっていることと、我が撮影環境では西側が早い時間に屋根にかかってしまうので、一晩では露光時間不足だったがとりあえず画像処理してみた。

 

       レンズ:SVBONY  SV535  105mm F2.8 

    赤道儀:EQ5 GOTO SS-one AutoGuider Proでオートガイド

              カメラ:ASI533MC Pro 0℃ offset 20 gain160

    撮影ソフト:NINA

    画像処理ソフト:DSS Siril(各種スクリプト連係) Affinity Photo

    撮影地:神奈川県藤沢市

    撮影:2026年10月10日

       フィルター:CBP 

          露光:300s×58(4h50m) 周辺部を10%トリミング

 露光時間不足もさることながら、画像処理の未熟さもあって何かスッキリしない写真になってしまった。

 

Sh2-126(総露光時間 4h50m)

 

 

 

Sh2-117とLDN935、914

 Sh2-117は、はくちょう座の巨大なHⅡ領域で手前にある暗黒星雲 LDN935で光が遮られ、有名な北アメリカ星雲(NGC7000)とペリカン星雲(IC5067-5070)を形成している。少し南側には Dark Dragon などと呼ばれる暗黒星雲 LDN914もあり、写真撮影ではなかなか楽しめる領域だ。8/8 は宵の口には星が見えていたので、300s露光72枚をセットしておいたが、雲の通過が多く使えたのは23枚しかなかった。

 

       レンズ:SVBONY  SV535  105mm F2.8 

    赤道儀:EQ5 GOTO SS-one AutoGuider Proでオートガイド

              カメラ:ASI533MC Pro 0℃ offset 20 gain100

    撮影ソフト:NINA

    画像処理ソフト:DSS Siril(各種スクリプト連係) Affinity Photo

    撮影地:神奈川県藤沢市

    撮影:2026年8月8日

       フィルター:CBP 

          露光:300s×23(1h55m)

 露光時間は短いが対象およびレンズが明るいので比較的良く写っている。

Sh2-117、LDN935、914(総露光時間 1h55m)

 下はLDN914部分を拡大した写真(略200mm相当)で、スタック処理直後にトリミングして上の写真とは別に画像処理している。この写真ではドラゴンというよりはタツノオトシゴのような感じだな。

LDN914

 

さそり座の散開星団 M6、M7

 夏の散開星団として有名だが、両者とも南に低いので我が星見台からは電線が邪魔をして撮りづらく今まで敬遠していた。しかし、メシエ天体は全て撮りたいと思っているのでいつかは撮らねばならず、7/20、23は空の状態は良くなかったが、散開星団なら何とかなるだろうと挑戦してみることにした。

 

    鏡筒:BORG ED77+クローズアップレンズNo4(385mm F5)

    赤道儀:EQ5 GOTO SS-one  AutoGuider Proでオートガイド

    カメラ:ASI533MC Pro   0℃ offset 20   gain100

    撮像ソフト:NINA

    画像処理ソフト:DSS Siril(各種スクリプト連係) Affinity Photo

    撮影地:神奈川県藤沢市

    撮影:M6 2026年7月20

                          CBPフィルター  180s露光を57枚(2h 51m)

       M7   2026年7月22日

        CBPフィルター  180s露光を52枚(2h 36m)

 M6を撮影した7月20日も空の透明度はあまり良くなかったと思うが、M7を撮影した7月22日はさらに悪かった。ピント合わせに使用したアンタレスが肉眼ではほとんど確認できないような状態だったので、天の川の部分はほとんど写っていない。

 

M6(総露光時間 2h51m)

M7(総露光時間 2h36m)

 下の画像は20日と22日のバーティノフマスクによるスパイク(星はアンタレス)の見え方の違い。



  

 

噂のレンズ SV535 で撮ったM8付近

 Cost performance が良いと評判のレンズ SVBONYのSV535を入手したのでM8付近を撮影してみた。世間の評価でこれは素晴らしいというレンズや鏡筒を持っておらず、その実力がどれほどのものか確認したい気持ちはあったが、どれも高価なので購入には至っていなかった。今回、とても手ごろな価格で高性能と評判のレンズが出てきたので、やっと願いがかなったという訳だ。

 

       レンズ:SVBONY  SV535  105mm F2.8 

    赤道儀:EQ5 GOTO SS-one AutoGuider Proでオートガイド

              カメラ:ASI533MC Pro 0℃ offset 20 gain100

    撮影ソフト:NINA

    画像処理ソフト:DSS Siril(各種スクリプト連係) Affinity Photo

    撮影地:神奈川県藤沢市

    撮影:2026年7月19日

       フィルター:CBP 

          露光:300s×48(4h)

 評判通りなかなかシャープに写るレンズだと思う。下の写真は星を分離せずに処理しているが、ストレッチ後も星がうるさくならず自然な感じの仕上がりになった。(と思う) 周辺部を若干トリミングしている。

M8付近(総露光時間4h)

 小さなセンサーだが 一応 FlatAide Proで等倍星像チャートを作成してみた。左が完成画像のチャートで画像処理中にAberrationRemoverを使用している。右はスタック後の画像をASI FItsViewでオートストレッチした画像のチャートだ。星像補正をしなくても丸くシャープな星像が得られている。

 

画像処理メモ(カラーカメラでの撮影)

 以前より天体写真の画像処理にはDSS、Siril、Affinityphotoを使用している。Sirilの進化に伴って処理方法も少しずつ変化しているが、カラーカメラでの撮影画像に関してはほぼ落ち着いた状態になっているのでその内容をメモしておこうと思う。SirilではStarNet2およびスクリプト GraXpert-AI.py、AberationRemover.pyを使用可能にしている。使用画像は、Tamron A001 70-200mm F2.8(70mm/F2.8)、カメラはASI533MC(0℃にて)、300s露光を60枚(gain100)で2023年に撮影している。最後の仕上がり写真以外はSirilの表示モード自動イコライゼーションでの画像を使用している。

 

1. スタック

 相変わらずDSS (Deep Sky Stacker) を使用している。とにかく使いやすく、結果も私にとっては充分だ。Sirilのスタック機能も、スタック前の画像それぞれにカブリ補正を適用できることに惹かれて試してみたが、私の目にはDSSでの結果と比較して特に優れているとは感じられなかった。

2. カブリ補正

 スタック画像の周辺部の乱れをトリミング後、スクリプト→Pythonスクリプト→Processingから GraXpertのBackground Extractionを実行するが、正常に補正されているか確認した方が良い。スクリプトでは作成されたバックグランドを確認することはできないので、インストールしたGraXpertを使用して確認する。これがほぼほぼ1次関数的でなだらかに変化していれば良しとしている。

 

3. 収差補正

 次に、スクリプト→Pythonスクリプト→Processingから AberrationRemoverを実行するとコマ収差、非点収差、像面収差などを補正して星を丸く引き締まった状態にしてくれる。(画像は右上を500px四方で切り出したもの、以下同様)

 

4. RGB 位置合わせ

 AberrationRemoverは倍率色収差は補正してくれないようなので、画像表示を右クリックしてRGB alignから 2-pass global star alignmentを実行すると色ズレが補正される。

 

5. Deconvolution

 GraXpert AIの Deconvolutionは星と対象それぞれ別に実行するよになっており、今回は星のみにかけている。PSF sizeはFWHM(px値)を調べて入力するのが基本だ。今回の画像では3.3程度であったが、やや小さめに設定してみた。

 

6. Denoising

 GraXpert AI の Denoisingを使用、最初は少々時間がかかるが強度を変えて試行するする場合、2回目以降は瞬時に結果が出る。強くかけても解像感の劣化は感じられなかったので1で実行している。

 

7. 色合わせ

 PCC(測光色補正)や SPCC(分光測光色補正)を用いる場合は最初にプレートソルブを行う必要がある。Sirilのツールバーから、ツール→天体測量→アストロメトリを起動して中心付近にある天体名、光学系の焦点距離、撮像素子のピクセルピッチと画素数を入力してOKボタンを押す。プレートソルブが成功するとPCCとSPCCが使えるようになる。

ツールバーから色補正→測光色補正または分光測光色補正だが、通常はより精度が高いという分光測光色補正を用いる方が良いだろう。その場合、パラメーターとして撮像素子の種類と使用フィルターの種類を指定する必要がある。今回、使用フィルターはOptolongのL-eXtremeだがリストには無かったので特性が似ているAskar Colour Magic c1を選んだ。なお、リストにあるフィルターの特性は右のDetailsボタンで確認できる。

 

8. リニアステージ以降

 7までがリニアステージでの処理で実際の画像はまだ真っ黒だ。この後、必要であれば星無し画像を作り星雲のみの状態でストレッチ処理を行うが、今回は星を分離しないままストレッチ処理を行い、その後Affinityphotoで最終調整をしている。ストレッチはSirilのTutorial を参考に主にGHS変換を用いて行っている。下が仕上げた写真だ。

Sadr付近

 

うしかい座の球状星団 NGC5466

 視等級9.2とあるが結構暗い球状星団だ。多くの球状星団は中心に向かって星が密集し、明るく輝いているが、NGC 5466は集中度が低くまるで散開星団のような佇まいだ。暗くまばらで見た目は冴えないが、天文学的には興味ある対象らしい。その特徴の一つは、天の川銀河の重力によって、星団の星たちが外へと引っ張り出されている最中だということで、 星が帯状に流れ出した痕跡は天球上で45度以上もの長さに及んでいるとのことだ。(NGC5466ストリーム)他の特徴として、水素・ヘリウム以外の元素の割合が非常に低い、宇宙初期に生まれた古い星団であることや、比較的珍しいとされるブルー・ストラグラー(年齢が高いはずの星団において、周囲の星よりも若く青く輝いている特異な恒星)が豊富に含まれていることがあげられる。

 

    鏡筒:Kasai Trading GS-150RC+ ×0.75レデューサー(1050mm  F7)

    赤道儀:EQ5 GOTO SS-one  AutoGuider Proでオートガイド

    カメラ:SV605MC   0℃ offset 10 gain160

    フィルター:ZWO  new LRGB

    撮影ソフト:NINA

    画像処理ソフト:DSS Siril(StarNet V2、GraXpert連係) Affinity Photo

    撮影地:神奈川県藤沢市

    撮影:2026年5月11日

       L 180s×38枚

        R 180s×11枚 (binning 2×2)       

        G 180s×20枚 (binning 2×2)

        B  180s×20枚 (binning 2×2)

       総露光時間 4h27m 周辺部を10%トリミング

NGC5466(総露光時間 4h27m)

 今回、RGB画像の作成はsirilのRGB composition で行い Affinity photoでLRGB合成している。当初はストレッチ後のRGB画像を合成していたが、下の写真左のように星団の中に赤っぽいノイズが発生してしまった。Rchは早い時間に撮影を始めているので光害が強く全体に画像の品質があまり良くないのが原因かと思うが、ストレッチ前の画像でRGB合成するとかなり改善されることが分かった。ストレッチの条件はRGBで全く同一にしており、原理的には問題ないような気がするのだが、やはりリニアの状態で合成すべきなのだろうか。

左:ストレッチ後に合成  右:ストレッチ前に合成