ぐうたら星撮り記

光害地で一杯飲んで寝ている間に天体撮影、これでいいのだ!

2023-01-01から1年間の記事一覧

Sirilでの画像処理 Deconvolution (2)

いくつかの対象にDeconvolutionを適用した結果についてメモを残しておく。ほとんどの場合、早い段階で星の周辺にアーティファクトが発生してしまうので、星無し画像に適用することを基本としている。 ・M1 鏡筒:BKP150+コマコレ(680mm F4.5) カメラ:AS…

オリオン座三ツ星周辺とバーナードループ

このあたりを少し広く撮ってみたいと前々から思っていた。手持ちの使えそうな一番短いレンズは50mmなので、1インチセンサーでは少々狭くなってしまうがとりあえず挑戦してみた。う~ん、色が単調か、なかなか思ったような仕上がりにはならない。ブロードバ…

Sirilでの画像処理 Deconvolution (1)

Deconvolution (逆畳み込み) 種々の要因により歪んだ画像を修復する手法で、天体画像では本来点像である恒星がどのように写ったかをたよりに画像を修復する。Sirilでも使うことができるが、効果的な結果を得るのはなかなか難しい。ここでは自分が試してみ…

かに星雲 M1

おうし座の超新星残骸、11世紀に超新星爆発した星の残骸で出現当時の記録が日本や中国などに残っている。日本での記録は藤原定家の日記「明月記」に客星(普段見慣れない星)としての記述があるそうだ。爆発した星そのものの残骸は1968年に発見された。小さ…

ウルトラマンの故郷? M78

オリオン座の散光星雲(反射)、華やかなオリオン座の中にあって暗く冷たい感じがする星雲だが、反射星雲としては全天でトップクラスの明るさらしい。上部にある星雲NGC2071は同じ星雲で暗黒星雲によって分けられているだけとのことだ。自分の経験では反射星…

エンゼルフィッシュ星雲 Sh2-264

オリオン座の散光星雲、これは見事にエンゼルフィッシュに似ているな。何十年も前にフィルムカメラで使用していたNikkor 50mm F1.4をF4まで絞って撮っている。昨日、CBPフィルターで撮影し、今年1月にL-eXtremeフィルターで撮影した分と合わせて画像処理して…

なんとか写った Sh2-240

おうし座の超新星残骸、大きいがとても淡い対象だ。光害地でどの程度写せるものか挑戦してみたが、フィルター効果(L-Ultimate)と明るい光学系(F2.0)での長時間露光(1830min)の効果で結構はっきりと写すことができた。しかし、いずれの撮影日も月が明る…

Sirilでの画像処理 CLAHE

Contrast-Limited Adaptive Histogram Equalization (CLAHE) (コントラスト制限適応ヒストグラム等化) 最近、撮影対象の種類によっては画像処理の最終段階でこの処理を使うことがある。充分なS/N比がある画像では手軽にコントラストを高めることができるの…

魔女の横顔星雲 IC2118

エリダヌス座の散光(反射)星雲、なかなか不気味な雰囲気を醸し出していて魅力的な星雲だ。3年ほど前から撮っているがデジカメ(改造KissX7i)では歯が立たず(撮影技術が未熟だったこともあると思う)光害地では無理な対象かとあきらめていたが、ASI533を…

セイファート銀河 M77

くじら座の銀河、渦巻き銀河とのことだが小さな望遠鏡では渦を巻いているようには見えないな。セイファート銀河は中心に大質量のブラックホールがありその影響で中心核が極めて明るく活動的で、高い励起状態の水素、ヘリウム、窒素、酸素などの輝線が見られ…

プレアデス星団 M45

おうし座の散開星団、和名 昴 で有名なとても美しい星団だ。自分は車のエンブレムでしか知らなかったが、天体撮影を始めて間もない頃からネット上の素晴らしい写真を見て、これは絶対に撮ってみたいと思っていた。初期の頃はほとんど星しか写らず、あこがれ…

ハート星雲 IC1805、胎児星雲 IC1848

カシオペア座の散光星雲、どちらも分かりやすいニックネームだな。月はまだ大きいが、11/1、2、3とよく晴れていたので、ナローバンドフィルターが使えるこの対象を撮影した。 IC1848 鏡筒:ビクセンSD60SS+レデューサー(287mm F4.8) 赤道儀:EQ5 GOTO SS…

ほぼ満月でのカリフォルニア星雲 NGC1499

ペルセウス座の散光星雲、確かにカリフォルニア州の形に似ている。10/29正午の月齢は横浜で14.4だったのでほぼ満月での撮影、本が読めるほどの明るさだったが、ナローバンドフィルター(L-Ultimate)の威力で普通(背景のレベル上昇が少ない)に撮影できた。…

バブル星雲 NGC7635

カシオペア座の散光星雲、中心付近に泡状の領域がありバブル星雲やシャボン玉星雲などのニックネームがついている。これは分かりやすいな。このバブル形状を創っているのは、バブル内上部の特に明るい部分左端にあるBD602522というナンバーのウオルフ・ライ…

魔法使い星雲 NGC7380 (Sh2-142)

ケフェウス座の散光星雲、正確にはNGC7380というナンバーは散光星雲の上部にある散開星団を指すようだ。初めて撮影したが、自分の撮った写真ではどこをどう見れば魔法使いなのかよく分からない。ネット上の作例を参考に青い部分を強調しているが、少々不自然…

どくろ星雲 NGC246

くじら座の惑星状星雲、ニックネームはどくろ星雲(Skull Nebula)だそうだ。確かに南を上にしてみると人間の頭に見えるが、どくろと呼ぶには可愛すぎて、笑っている子供のように見えてしまう。自分はあのバラ星雲の方ががどくろに見えてしまうのだ。 鏡筒:…

さんかく座銀河 M33

昨年11月に総露光時間535min(CBPフィルター305min、L-eXtremeフィルター230min)の画像をブログにアップしているが、あまり良い出来とは言えなかった。クオリティアップを狙って10/15、16、17に撮り増しをしたのだが、10/15撮影分は残念ながら全て没(恐らくミラーの結…

スターバースト銀河 NGC253

ちょうこくしつ座の銀河、スターバースト銀河というのはその名の通り爆発的な星形成が生じている銀河を言うとのこと、初めて知った。まだまだ勉強不足だな。 10/13は比較的空の下の方までよく晴れていたので、南中高度が30°程度しかないこの銀河を狙ってみた…

NGC7331とステファンの五つ子

ペガスス座の銀河、ステファンの五つ子で一番大きく見える銀河(NGC7320)はおよそ4000万光年の位置にあり、他の4個は2億9000万光年も離れているという。こんな遠くの光が3万円の望遠鏡でもちゃんと写るのだからたいしたものだ。NGC7331は見た目はアンド…

アンドロメダ銀河 M31

この銀河だけは幼少の頃から名前を知っていた。当時(60年以上前)はアンドロメダ大星雲と呼ばれることが多かった気がする。ハッブルさんの功績で1920年代には系外銀河と判明していたようだが、その前は天の川銀河内の星雲という学者もいたらしい。宇宙は膨…

信州中部の旅

9/26から9/30まで松本、安曇野方面を訪ねた。一泊目は松本のビジネスホテル、その後は安曇野市にある天平の森オートキャンプ場のロッジに泊まった。普通の旅館やホテルに宿泊しないのは、費用の問題もあるのだがそれ以上に食事の問題が大きい。料理の種類や…

クワガタ星雲 Sh2-157

カシオペア座の散光星雲、ネット上の画像はよく見ていたが自分で撮るのは初めての対象だ。これは確かにクワガタの頭の部分に見える。左角の部分にはOⅢ領域があるので、もっと時間をかければもう少しきれいな青色が出てくるのだろうか。構図はちょっと失敗で…

らせん星雲 NGC7293

みずがめ座の惑星状星雲、地球からの距離は700光年と近いため、全天で最も大きく見える惑星状星雲とのことだ。最近の研究で、明るく見えている環状の部分にほぼ直角に第二の環があることが分かってきたらしい。意外と複雑な構造をしているようだ。 月が小さ…

まゆ星雲 IC5146

はくちょう座の散光星雲、輝線星雲と反射星雲からなる。8月に288mmで撮っているが、今回はBKP150でもう少し大きく写してみた。雲に邪魔されて予定の半分しか撮れなかったので、一昨年に少しだけ撮った分と合わせて画像処理したが、モヤモヤした反射星雲の部…

アイリス星雲 NGC7023

ケフェウス座の散光星雲、なかなか美しい星雲でネット上では沢山の素晴らしい写真を見ることができるが、反射星雲なので空が明るいところではかなり手強い。2021年に3回ほど挑戦しているが惨敗で、この新月期に再挑戦してみた。まだまだと思うが、前回に比…

とりあえず撮り始めてみたWR134

ネット上の画像を見て是非自分でもとってみたいと思っていた対象だ。ウォルフ・ライエ星というのは、とてつもなく高温、高輝度の恒星で天の川銀河では数百個が発見されているらしい。WR134は周囲に吹き飛ばされたOⅢ領域が赤い星雲の中で青く光っていてとても…

ライオン星雲 Sh2-132

ケフェウス座の散光星雲、う~ん、写真が悪いのかなかなかライオンには見えないな、明るい部分が顔? 8/25(月齢8.7)、8/29(月齢12.7)と月は大きかったがHαとOⅢの輝線星雲ということでL-eXtremeフィルターで狙ってみた。自己満足観賞用の画像としてはきれ…

北アメリカ星雲 NGC7000

はくちょう座の散光星雲、撮影対象としてはポピュラーでよく写るが、自分の技量では赤一辺倒になりがちでなかなか難しい。ネット上の作品を参考にそれらしい色を出そうと努力してみたが、長時間露光のわりにはいまひとつという感じだ。 レンズ:Tamron A001 …

江の島夕涼み

この暑さで昼間は散歩に出掛ける気になれないが、夕方になれば涼しい風も吹いてくるので江の島まで行ってみた。8月末まで灯籠祭りのようなことをやっていて、合計1000基の灯籠がそこここでぼんやりとした光を放っている。入口の瑞心門から辺津宮までは光…

ペリカン星雲 IC5070

はくちょう座の散光星雲、このニックネームはピッタリだな。680mmに1インチセンサーでは全体が収まらないが、BKP150をセットしたままだったのでそのまま撮ってしまった。細かいことを言わなければ、あまり苦労せずによく写るので結構楽しめる。 鏡筒:Sky-Wa…