ぐうたら星撮り記

光害地で一杯飲んで寝ている間に天体撮影、これでいいのだ!

Sirilでの画像処理 CLAHE

 Contrast-Limited Adaptive Histogram Equalization (CLAHE)
 (コントラスト制限適応ヒストグラム等化)

 最近、撮影対象の種類によっては画像処理の最終段階でこの処理を使うことがある。充分なS/N比がある画像では手軽にコントラストを高めることができるので重宝している。

Sirilドキュメントでは次のように説明されている。(英文をDeepLで翻訳)

 CLAHE法は、画像のコントラストを改善するために用いられる。通常のヒストグラム均等化とは異なり、適応的な方法で複数のヒストグラムを計算し、それぞれが画像の別々の部分に対応し、それらを使って画像の輝度値を再分配します。そのため、画像の各領域で局所的なコントラストを改善し、エッジの鮮明度を高めることができる。

Tips

ヒストグラムが計算されるタイルのサイズは、スライダーで定義できます。デフォルトでは 8 に設定されています。

・クリップ限界は、画像の比較的均質な領域でノイズが増幅されすぎるのを防ぐオプションです。ヒストグラムのクリップされた部分のうち、クリッピングリミットを超えた部分は、ヒストグラムのすべてのビンに均等に再分配されます。

・このフィルタは非線形のデータによりよく効く。事前に画像を引き伸ばすことをお勧めします。

 

 処理のアルゴリズムについては今一つよく分からない部分もあるが、効果としては液晶テレビのバックライトの分割制御のようなものかなと勝手に思っている。

メニューバー「画像処理」のプルダウンメニュー 「ヒストグラム平坦化」から入ることができ、Tiles Grid SizeとClip Limitの2つのパラメーターを調整する。デフォルト値はそれぞれ8と2.0だ。

Clip Limitの値を大きくしていくとコントラストが高くなり、M42周辺の分子雲が浮き出てくる。画面分割数がデフォルト値の8だとM42にはあまり大きな変化は生じない。

 

Tiles Grid Sizeを大きくして画面の分割数を増やしていくとM42の描写も変化してくる。分割数によっては全体的に明らかにおかしな画像となる場合もあるので、信頼できるお手本を用意して参考にしながら処理する方が無難だ。

 

このM42は最終的にTiles Grid Size 16、Clip Limit 16.0で処理してみたが少々やり過ぎな感じもする。

        露光時間:CBPフィルター 555min

             LPR-Nフィルター 294min

             L-eXtremeフィルター 360min

M42 (総露光時間1209min)