買物で時々通る裏通りに質屋があった。いつからあったのか記憶にないが、建物は結構古く人の出入りもなさそうで既に廃業しているような雰囲気だった。少し前のある日、その前を通ると、あれっ、建物が無い！ でも、すっかり更地にはなっていなくて、真ん中あたりに大きな金庫のような建物が残っているのだ。高価な質草を入れていた保管庫だと思うが、かなり頑丈そうで耐火性もありそうだ。中に閉じ込められたら助けを求める声も外に届かず、そのまま窒息死してしまいそうだ。後日壊されるのか、それともまわりに建物を作って再利用するのか見届けなければなるまい。それにしても質屋の金庫室というものを初めて見た。
